少年院ボランティア

阪南市にある少年院「泉南学寮」の法務教官の発案が元になったアイデアが採用され、 2019年に少年院の在院者による全国初の地域ボランティア団体「泉南学寮グリーンサポーター」が結成され、阪南市社協ボランティアセンターの登録団体となりました。阪南市社協がキャッチした地域のニーズを泉南学寮に提案・依頼し、少年らが地域課題の解決に取り組んでいます。

人の役に立つ喜び

生徒が自分たちに何ができるか等をグループワークで話し合ったり、活動を通じ依頼者から感謝される体験をしたりすることで、社会に貢献している実感や自己肯定感を得ることができます。

牡蠣の仕分け作業
名物となった阪南の牡蠣。人手不足の西鳥取漁業協同組合の牡蠣小屋で、牡蠣の仕分けのお手伝い。漁師さんからは「手際が良くて助かる」との言葉をもらいました。
買い物の荷物運び支援
グループワークの中で出た意見がきっかけで、近隣の団地の買い物の荷物運びをお手伝い。地域住民に配るチラシやポスターも主体的に用意しました。
高齢者宅の庭などの清掃支援
高齢により家や庭の清掃ができない方からのご依頼で、片付けや清掃のお手伝いをしました。「思った以上に喜んでもらえて、自分まで嬉しくなった」との感想も。
少年院ボランティアを経験した少年たちの感想

ボランティア活動を通して地域住民と交流し、感謝の言葉をかけられ、達成感ややりがいを感じ、自分に自信を持つきっかけが生まれています。

「喜んでもらえて嬉しい。少年院を出て地元に戻っても、ボランティアをして子どもから大人までいろんな人の役に立ちたい」
「非行をして迷惑をかけたが、少しでも人の役に立てるように活動に取り組みたい」
「些細なことで感謝された。1日でこんなにありがとうと言われたことはない。気恥ずかしいけれど、これからもボランティアを続けたい」

活動のようす

活動の意義  ―生きる力となり、クリエイティブに活動する力となる

この取り組みをゼミ生とともに視察いただいた山野先生より以下のコメントをいただきました。

今回、阪南市社協と泉南学寮の協働実践に関して、初めて知り、驚きました。双方勇気ある取り組みだと思いました!
少年たちにとっていいことであると認識できても、実行のためには様々な壁を想像することは容易だからです。
この取り組みは人と人との信頼を生み、想像以上に人としての成長に効果があるものと思いました。
閉じた世界での展開でなく、実社会でのこの体験は少年たちがボランティアという世界の話だけで終わるのではなく、生きる力となり、クリエイティブに活動する力となると感じました。
この取り組みを広く受け止めておられる阪南市の住民の皆様にもエールをお送りします。

山野 則子
大阪公立大学大学院 現代システム科学研究科 教授
(内閣府 孤独・孤立対策に関する有識者会議 委員)

法務省のリーフレットでモデルケースとして掲載されました

少年院の在院生による地域のボランティア団体設置は全国で初めてで、法務省のモデル事業にも位置付けられ、全国の矯正施設に広がりつつあります。以下のリーフレットでも阪南市の取り組みが大きく取り上げられています。

少年の立ち直り×地方創生のススメ(PDF)

メディア掲載

新聞のほか、各種メディア、でも取り上げられています。

少年院ボランティアを寄付で応援ください

阪南市社協では、限られた予算でこの事業を実施しています。
どんな人にも笑顔を広げ、より充実した活動を取り組むために、みなさまのご寄付をお願いいたします。

1,000円のご寄付で…
2名の少年たちがボランティア保険に加入して安心してボランティア活動ができます。
2,000円のご寄付で…
この活動の意義としくみを知っていただくための案内チラシを印刷し、100人にお渡しすることができます。
5,000円のご寄付で…
少年たちがボランティアで高齢者宅を片づける際に必要なホウキ、チリトリや長靴などの備品を購入することができます。

※オンライン寄付決済システム「Syncable」のページから、クレジットカード・銀行振込・AmazonPayでご寄付いただけます。
用途指定を希望される場合は入力内容の確認画面の「団体へのメッセージ」にご入力ください。

この取り組みを知りたい・広げたい方へ

詳しい実践内容や職員の関わり方を知りたい、視察や講演を頼みたい、という場合は以下のフォームよりお問い合わせください。

視察・講演・取材依頼