パーキンソン病患者と家族会「あざみ会」11月の特別例会 ~講演会『パーキンソン病患者の家族からみた思い』~

西鳥取・下荘地域包括支援センターの大塚です。

「あざみ会」とは、パーキンソン病患者・家族の会です。(西鳥取・下荘地域包括支援センターが事務局を担っています)パーキンソン病の患者・家族が交流し、病気の理解や困りごとを話し合い、共感し支えあうための集まりです。

令和4年11月11日 特別例会の講演会が開催されました。

講師は、あざみ会の顧問である八田三紀薬剤師です。八田先生は、パーキンソン病のお母様を去年に看取られ、介護や看取りをされた経験を、医療職としての立場、そして介護をする家族の立場でお話しいただきました。

薬剤師として、パーキンソン病のお薬の話、そしてお母さんを介護されたうえで感じた思いについてお話しいただきました。

講師の八田先生とお母様は、いろんな話しをし合える親子でした。毎年のお正月に『人生会議』を、お互いにされていたそうです。胃瘻はしない、延命治療はしないとお母様は言われていました。

人生会議とは
誰でも、いつでも、命にかかわる大きなけがや病気をする可能性があります。
自らが希望する医療やケアを受けるために大切にしていることや望んでいること、どこでどのような医療やケアを望むかを自分自身で前もって考え、周囲の信頼できる人たちと話し合い、共有しておくことを言います。

薬剤師という仕事と介護の両立、場面場面で迫られる選択・・・

「医療って冷たい」と感じることもあったり、仲間の理解に助けられたり、いろんな経験をされていきました。

毎年のお正月にお互いの人生会議はしっかりと行っていたにも関わらず、実際に迫られる選択に『本当にこの状況のこのタイミングでも、母は「うん」と言ってくれるだろうか』と何度も何度も考えたと言います。

「家族が患者の思いを貫くのは、とても大変だと思った」という先生の言葉から、想像するだけで胸が締め付けられました。

「母だったら、どう決めていたのか」本人に聞きたくても聞けません。「でも・・・それでも決断できたのは、いろいろ話をして母の思いを聞いていたから。」そうおっしゃっていました。

家でお母様を引き取られた最期の時間。

パーキンソン病で開かなくなった目・・・。なんとか細かく刻んだ薬を飲ませることに、八田先生はこだわりました。

『みんなの笑った顔を見せてあげたい。』その思いからです。

たくさんの親族や友人と楽しく過ごされて、お母様は旅立たれました。

そんな大切な時間は、今まで仕事で介護を十分にできずに後悔していた娘に対して、お母様がくださった時間だったと言います。

八田先生は「人生の最期は年の順で来るわけではない」と、締めくくられました。

親子で、夫婦で、兄弟で、お友達で・・・信頼できる人達とぜひとも人生会議を開いてください。それは自分のためでもあり、残された人達の迷いを救うためでもある。今回の講演会で考えさせられました。

質問にもたくさん答えてくれました。医療への悩みはみなさんたくさんあるようです。

次回あざみ会は 
日時:令和4年12月9日 13:30~ 
場所:地域交流館 

内容:音楽健康指導士による歌や体操、交流会

ご見学を希望の方は、お気軽にお問合せください。
事務局:西鳥取・下荘地域包括支援センター (担当:大塚、渡辺)
    072-447-6428